映画『ミルクの中のイワナ』の上映会及びトークイベントを開催します。

本作はイワナを取り巻くさまざまな問題を掘り下げたサイエンスドキュメンタリー映像。研究者、漁協組合、釣り人など12人の証言をもとにイワナの魅力や生態系の危機を語りながら、日本列島の自然環境や現代社会が抱えている問題にも焦点を当てています。

トークイベントでは、本作の監督・脚本・編集・プロデュースを務めた坂本麻人さん、狩猟免許を持ち、マタギとして自ら狩猟に関わりながら制作を行う絵画作家の永沢碧衣さん、神話や宗教を専門としながら人類学と現代芸術をつなぐ活動を行う人類学者の石倉敏明さんの3人が登壇。イワナを取り巻く諸問題を辿ると、環境保全や生物多様性など現代社会が直面している問題が浮かび上がってくる一方で、その深部には異なる環境に生きるもの同士がその異質性や時間軸をこえて共存する叡智が脈々と受け継がれていることに気付かされます。
当日は、イワナにまつわる民話や伝説、山の神など土着的な民間信仰、ししおどりなどの郷土芸能、狩猟を生業とするマタギと呼ばれる人々とイワナとのつながり、そして『釣りキチ三平』の作者・矢口高雄が愛した秋田の風土など、イワナをめぐる生態系と創造性が相互に絡みあうサイエンスとアートのはざまについて語り合います。

水のにおいがあるところに残るケモノの足跡をたよりに、これから私たち人間は自然とどのように関わりながら生きていけばよいのか、ジレンマを乗り越える可能性を来場者の皆さんと一緒に考え、語り合いたいと思います。

映画『A TROUT in the MILK ミルクの中のイワナ』
2023年 / 日本 / 66分 / ドキュメンタリー / 日本語字幕
公式ホームページ  Instagram


複合芸術研究科修士1年 研究経過展・関連イベント
映画『A TROUT in the MILK ミルクの中のイワナ』上映会・トークイベント

日 時 2024年1月20日(土)
    【第一部】13:00ー14:30 トークイベント『水のにおいと ケモノの足跡』(90分)
    [ゲスト] 坂本麻人(ドキュメンタリー映像作家、一般社団法人Whole Universe理事)
        永沢碧衣(アーティスト)
        石倉敏明(人類学者、アーツ&ルーツ専攻准教授)
    [司 会]鈴木望美(修士課程1年)

    【第二部】15:00ー16:30 映画『ミルクの中のイワナ』上映会(約66分)

会 場 秋田市文化創造館・スタジオB(秋田県秋田市千秋明徳町3-16)
入 場 無料 / 定員30名 ※受付は終了いたしました。
主 催 秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科
お問い合わせ 秋田公立美術大学学生課 018-888-8105


登壇者プロフィール

坂本麻人(ドキュメンタリー映像作家・一般社団法人 Whole Universe 理事)
大阪生まれ。東京在住。ドキュメンタリー映像作家。岩手県・遠野市を舞台に死生観を題材にした映像作品『DIALOGUE WITH ANIMA』を監督。またカルチュラル・スタディーズツアー「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)」の総合演出、プロデューサーとして活動。その他に、研究プロジェクトJST / ERATO x HITE『脳AI融合プロジェクトxHITE』の映像作品を制作。またバイオアーティスト 長谷川 愛の映像作品『Shared Baby』(森美術館「未来と芸術」展 出品)や市原えつこ『未来 SUSHI 研究者は語る』(森美術館「六本木クロッシング2022」展 出品)などの監督・監修を担当。2023年公開の ドキュメンタリー映画『A TROUT IN THE MILK / ミルクの中のイワナ』の監督・プロデューサーとして活動。過去には、矢口高雄作品『釣りキチ三平』とルアービルダーによるコラボレーション企画のプロデューサーとしても活動していた。映像プロダクション THE LIGHT SOURCE 主宰、一般社団法人 Whole Universe の理事。

永沢碧衣(アーティスト)
1994年秋田県横手市生まれ。2017年アーツ& ルーツ専攻卒業。秋田に在住しながら狩猟免許を取得し、東北の狩猟・マタギ文化に関わりなが ら“ 生命の根源 ”を辿り、“人と生物と自然 ”の関係性を問う絵画作品を制作している。近年の主な展示に、「VOCA 展 2023」(上野の森美術館、2023)、「シン・ジャパニーズ・ペインティング」(ポーラ美術館、2023)、個展「霧中の山に抱かれて」 (阿仁公民館、2021)など。2023年公開の ドキュメンタリー映画『A TROUT IN THE MILK / ミルクの中のイワナ』のサウンドトラックのアートワークを手がける。

石倉敏明(人類学者、秋田公立美大准教授)
1974年東京生まれ。秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻准教授。シッキム、ダージリン、ネパール、東北日本等でフィールド調査を行い、環太平洋の比較神話学、複数種をめぐる芸術人類学、アーティストとの協働制作をおこなう。2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際芸術祭日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」に参加。共著書に『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(田附勝との共著、淡交社)、『Lexicon 現代人類学』(奥野克巳との共著、以文社)、『モア・ザン・ヒューマン マルチスピーシーズ人類学と環境人文学』(以文社)など。



修士課程1年 研究経過展
とは?
秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科では、新たな表現領域と美術の可能性を切り拓こうとしています。1年次前期に、様々な分野の学生が、専門の領域を越え、各々の知識と経験を重ねてきました。後期には、学生それぞれが大学外部の団体や企業と協働し、研究の発展と実践を行ってきました。修士課程1年研究経過展は、ひとりひとりが作品やプロジェクトに向き合ったこの1年の経過を発表する企画展です。